堀越隆一公式サイト 作曲家、堀越隆一の公式サイト。1976年のデビュー以降、数々の作品を発表する傍ら、編曲、指揮、評論を始め、後進育成の為のアルエム弦楽合奏団の設立、音楽を愛する人に最良の空間を提供するすみだチェリーホールの運営など多岐に渡る活動を展開。最新の活動情報、チケットや楽譜の販売など、随時更新していますので、ぜひお立寄り下さい。

チャイコフスキーの四季 木管五重奏またはアンサンブルの音色について

一昨年のことだが

一昨年のことだが、ヤマハのサロンに西尾真実さんのリサイタルを聞きに伺った時のことだ。コンサート自体はラフマニノフをメインにした意欲的なプログラムだったが、この時のアンコールで彼女がチャイコフスキーの四季から2曲、確か狩りの歌(9月)と舟歌(6月)だったと思うが演奏された。

この演奏を聞いていて、ふとこれは管楽器のアンサンブルにすると面白いんじゃないかと言うアイデアが僕の中で湧いてきた。

 

 

 

なぜ管楽器と思ったのか

日頃ヴァイオリンを含む弦楽器へのアレンジはよくやっていたので、なぜ管楽器と思ったのか我ながら不思議だった。多分曲の構造や旋律の面白さより、この曲自体の持つ多様な音色の魅力に魅かれたせいだと今思い返すととそう考えるようになった。ピアノ曲で多様な音色の魅力というと奇妙に思えるかもしれないがおそらくその時の西尾さんの演奏がそれを喚起させてくれたのではないかと僕は思っている。

 

弦楽器のみのアンサンブルやピアノのソロでは楽曲はその姿をラインで表現する。映像で言えばモノクロームの世界だ。その分全体の流れはよりクリアーになり構造もはっきり見えてくる。オーケストラや管楽器でのアンサンブルなどでは、逆に動機の造形よりは音色自体に傾き動機の構造よりもキャラクターに注視することになる。管楽器は(あくまで弦やピアノなどに比較してという意味だが)この音色のキャラクターがはっきりしていると思う。

楽器の音色で曲のイメージが彷彿と湧き上がってくることは。牧神の冒頭のフルート、シェラザードでのヴァイウオリン、マーラーの五番のトランペットなどなど、挙げて行けばきりがないがどれも他の楽器では変え難いくらいモティーフが楽器の音色に結びついている。

 

編成を決め書いてみると

それ以来折に触れてこのアイデアの実現性を考えてきたが、現実的に演奏しやすい形として木管五重奏が良いんじゃないかと思って、この自粛期間中にチャイコフスキーの四季全12曲の中から1月「炉端で」 を編曲してみた。

 

 

木管五重奏のスコア

 

 

1月スコア

原譜(ピアノソロ)

   1月ピアノ

 

オリジナルの再現ということではなく原曲の魅力をどうすれば木管五重奏で表現できるかということをモチーフにして、キーは原調のイ長調から変ロ長調に移調。管楽器でカバーできない音域は編成の範囲内でオリジナルの雰囲気を壊さないように配慮し、結果として木管五重奏曲としても面白いものが出来たと思っている。

 

もしこのブログを見て、興味を持ってくれるグループがいたら

チャイコフスキーの四季全12曲の木管五重奏への編曲、この編成で書くと他の11曲もそれぞれ個性的な面白い曲集が出来るとは思うのだが、片手間にやれる分量ではない。このブログを読んでもし興味を持ってくれるグループがいたらぜひ声をかけて見てください。

相談をしてみた結果、何か実現できるような企画やコンサートシリーズなど可能なアイディアがもし誕生するようになったら僕も嬉しい。

 

参考になるよう楽譜ソフトから動画を作ってみたのでお聞きください。(最近はこういう機能も備えている)テンポの変化や微妙なアーティキュレーションなど反映されていませんが、あくまでも参考音源としてお聞きください。

 

1月「炉端で」(Midi音源による楽譜ソフトの再生)

 

 

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