プーランクがゲイだった
プーランクがゲイだった
ということは、この本(村上春樹「東京奇譚」 )を読んで始めて知った。別にバイであろうと、ホモであろうとその作曲家の書いた作品の価値がかわる訳でないし、また知ったからといって作品に対して音楽的に何か新たな視点を得られるとは思わない。音楽史的に公認(?)されているチャイコフスキーだって、そのせいでゲイのファンクラブがあるとは聞いていないし(あるのかな)学校の音楽の時間に青少年に作品を聞かせないということはない。またそれでもヘエーと思ったのはこの「東京奇譚」の第1話がマイノリティーの視線、社会的に公然とではないが差別され、でも表面的には分からない人達、ここでは登場するゲイの調律師の背景をリアルにするために描かれている。村上さんのこの短編集は、現在というものに対する明確な視点と言葉にはできないメッセージ(決して作品の表面には表れない)をもった最近読んだ中ではとてもすぐれた短編集だと思った。振り返って自分が音楽でここまでの仕事をしているかと思い返し、まだやれていないなと思った。
念のため付け加えればプーランクがゲイだったかそうでないかというのは本当のところ調べた訳ではないので僕には断言出来ない。多分調べればわかると思うがそこまでするつもりはない。小説作品の中では事実も事実らしいフィクションも作家のモチーフに基づいて取捨選択されて提示される。当然それが事実でなくても作品としての評価には影響されない。でも、もし興味を持って調べられた方は分かったらこっそり教えてください。
Posted: 月 – 10月 3, 2005 at 11:14 午前 最新情報とBlog日(?)記 Blog日記 Previous Next Feedback
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