堀越隆一公式サイト 作曲家、堀越隆一の公式サイト。1976年のデビュー以降、数々の作品を発表する傍ら、編曲、指揮、評論を始め、後進育成の為のアルエム弦楽合奏団の設立、音楽を愛する人に最良の空間を提供するすみだチェリーホールの運営など多岐に渡る活動を展開。最新の活動情報、チケットや楽譜の販売など、随時更新していますので、ぜひお立寄り下さい。

堀越 隆一みちこ 2003 個 展/リサイタル

堀越 隆一みちこ 2003 個 展/リサイタル

 

2003年12月26日(金)/旧東京音楽学校奏楽堂

 

program

 

堀越 隆一:ソノリチュード 1999

Ryuichi Horikoshi : Sonolitude for Violin solo

S.プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 1944

Sergei Prokofiev: Sonate No.2 for Violin and Piano op.94b

第1楽章 Moderato

第2楽章 Scherzo

第3楽章 Andante

第4楽章 Allegro con brio

S.プロコフィエフ:行進曲「三つのオレンジの恋」より(堀越隆一編曲)

Sergei Prokofiev : March from”The love for three oranges” (arr.by R.Horikoshi)

堀越 隆一:石の年代記写本 -ピアノと弦楽合奏版– 2003(初演)

Ryuichi Horikoshi : The stone Chronicle Codex for Piano and Stringorchestra

1. 序章Introduction

2. 舞曲II Dance II

3. 対話 Dialogue

4. 世俗的な歌 Secular song

5. 間奏曲 Intermezzo

6. 対話 IV Dialogue IV

7. 悲歌 Elegy

8. 終章 Conclusion

 

堀越みちこ/Michiko Horikoshi violin

中川俊郎/Toshio Nakagawa piano

堀越隆一/Ryuichi Horikoshi cond.

アルエム弦楽合奏団 /Ensemble ArtAim

 

ごあいさつ

本日は「堀越隆一みちこ 2003 個展/リサイタル」に足をお運び頂き誠にありがとうございま

す。ご来場下さった皆様、そして今回の公演を実現するにあたり様々なかたちでご援助ご協力

を頂いた皆様に厚くお礼申しあげます。

2003年12月26日 堀越隆一 みちこ

 

プログラムノート

 

ソノリチュード1999

特に理由があったわけではないのだが、バイオリンのソロで曲を考えているうちに、僕は心の なかで「孤独」(solitude)と「響き」( sonority)という二つの単語を繰り返しはじめてい た。やがて僕のなかにひとつの物語りが生まれ、タイトルも決まった。

初演:1999年11月[JFCアンデパンダン](vn:堀越みちこ) 出版/キックオフ

 

S.プロコフィエフ作曲 ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調

人は誰でも自分の生まれた時代は選べない。とは言ってもプロコフィエフのように時代の波に 翻弄される人生も本人にとってはなかなか大変なものがあると思う。だが革命後ソヴィエトに 帰国した後、スターリン政権下での芸術家にとって地獄のような日々(と思うのだが)の中で 書かれた膨大な作品群にその影を積極的に見いだすことは難しい。僕にはそこにこの作曲家の 本質的なナイーブさと、政治に対するニヒリズムに近い無関心さを観ることが出来る。もう一 つこの作曲家の特質としてあげるとすれば、それはメロデイーの中にあるストーリーテリング とでも言える持続性と、まるで音楽に空間があることに耐えられないとでも言うかのように音 符を詰め込んで行くそのスタイルにあると思う。 この作品は第2次世界大戦中、ドイツ軍がロシアに攻め入った時代「フルート・ソナタ」とし て1942年から1944年にかけて作曲され、モスクワで初演された。その初演を聴いたダヴィー ド・オイストラフの提案で 「ヴァイオリン・ソナタ」 に改編され今日ではop94のaとbの二つ の形で出版されている。全4楽章から成り、外見は古典的なスタイルで作曲されているが。曲 全体を統御しているものは、絶え間なく物語を語り続けるようとする情熱ではないかと思え る。

 

S.プロコフィエフ作曲 行進曲 -歌劇「三つのオレンジへの恋」より-(堀越隆一編曲)

原作者のカルロ・ゴッツィは18世紀のイタリアの劇作家で、この戯曲を含む十篇の『寓話劇』 (1761~65)によってドイツ、フランスのロマン派の作家に大きな影響を与えた。またこの 『寓話劇』は初演当時から多くの作曲家の創作意欲を刺激したようで、主なところだけでもワ ーグナーの最初のオペラ『妖精』の原作となった『蛇女』を筆頭に、プッチーニとプゾーニが それぞれにオペラ化して有名な『トゥーランドット』があり、また一番最近ではヘンツェが 1956年に『鹿の王』をオペラ化している。プロコフィエフはこの歌劇をアメリカ時代に作曲。 シカゴで初演したが、現在では第二幕で演奏されるこの行進曲のみが演奏会のレパートリーと して残っている。 お伽噺のような荒唐無稽なストーリーはオペラ大事典などでも読むことが出 来るので興味のある方はどうぞ、一般にはハイフェッツ編のヴァイオリンのピースが有名だが 本日はこの演奏会のために弦楽合奏に編曲したものを演奏します。

 

「石の年代記写本」 -ピアノと弦楽合奏版- 2003(初演)

「石の年代記」は古くから多くの書物のなかに引用されているにも関わらず、その実在が証明 できず幻の文献とされていた。アレクサンダー大王が東方遠征の時持ち帰ったとされるこの文 献には、年代記とよばれる文章の他、多数の建物や調度品、楽器等の製作図面と楽譜の様なも のが含まれている。この曲で僕は「年代記」の世界を音楽的に再構成しようとした。実証的な 古い音楽の再現ではなく、そこに生活した人々の息吹きが感じられるような空間を再現できれ ばと思った。始め、2001年の秋にFl,Cl,Vn,Vc,Pfという楽器編成で「写本」の中の10曲が完 成。今回はさらにその中の6曲を独奏ピアノと弦楽合奏版に書き改め、新たに二つの楽曲を追加 した全8曲の形で演奏される。 全体を曲順に解説すると 1.序章(pf.str-orch)「石の年代記」の世界への導入部。2.舞曲II(pf.solo) 戦いへ向かう戦士 の踊り3.対話(str-orch)賢人達の哲学的な対話 4.世俗的な歌(pf.str-orch)夕暮れの街角、 ヴァイオリンが酒場の音楽を奏でる 5.間奏(pf.str-orch)間奏曲、夜の音楽 6.対話 IV(pf.solo)和解することの無い論争 7.悲歌(pf.str-orch)死者と遺された人達への哀歌  8.終章(pf.str-orch)エピローグ、序章の再現と写本の世界からの別れとなっている。

 

アルエム弦楽合奏団について

 

アルエム弦楽合奏団(Ensemble ArtAim)は、2003年の4月に作曲家の堀越隆一とヴァイオリ ニストの堀越みちこにより結成され、年齢構成は幅広く小学3年生から86歳まで多岐にわたっ ています。毎月の練習と、地域でのボランティア活動、そして聖路加病院トイスラーホール主 催のコンサートへの定期的な出演等を通して研鑽を積んでいます。 この合奏団結成のきっかけは、家内が学生時代ベルリンで学びこれまでの内外での演奏活動の なかで蓄積してきたアンサンブルの技術と私自身の現場での経験を何らかの形で社会へ還元出 来ないかと思いたったことが始まりでした。メンバーはこの趣旨に賛同して参加してくれたプ ロの演奏家達と、音楽を学ぶ学生や子供達、またアマチュアの音楽家にも門戸を開いていま す。水準の高い演奏を目指して皆で一つの演奏を作り上げてゆくことの喜び知って欲しいとい う願いは少しづつではありますが、今着実に育ってきていると思っています。

堀越 隆一

 

発端は、子供達をコンクールに出す時に何か足りないもの感じて知り合いの老人ホームに行っ て演奏させてもらったことからでした。「今日は自分が上手に弾くためじゃ無くて、車椅子や 杖をついて聞きにきてくださるおじいさんやおばあさんのために弾きましょう」と言うと子供 達の演奏がパッと変わりました。自分の演奏が人の役に立つということは、かけがえの無い喜 びだということをヴァイオリンを通して体験したと思います。それまで大人の生徒達と組んで 行っていたアンサンブルに是非子ども達も加えた弦楽合奏を行いたいという夢を持つようにな りました。私には子供達が音楽を通して人として成長して欲しいと言う思いかあります。アン サンブルというのはそれぞれが「人を生かして、自分も生きる」といった、ある意味で社会生 活に通じるものがあると思います。まだ発足して間もない合奏団ですが皆様の御陰で思いの他 老人ホームや病院でのコンサートを持つことができ感謝しております。今後はより一層精進し て行きたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。 それにしても、合奏団を運営して行くと言うのは思いのほか、大変なことでした。練習場の確 保、楽譜の弓付け―おかげで主人の仕事場は仕損じたコピーの山・・・・・すみません

堀越みちこ

 

Music Director 堀越 隆一(指揮/編曲) 

Concert Mistress 堀越 みちこ 

Violin 上田 麻奈未 宇多 紫織 榎戸 邦慶 大内 喜久子 大森 彩加 川邊 槙也 腰高 多恵 斉藤 知子

関野 羽純 田中 佐知子 林 真理子  福田 玲紗

本多 菜穂子 吉川 采花  磯 響子(賛助)村上 英子(賛助)

Viola 宇多 信敏 大槻 桃子 綿貫 静子 秀川 みずえ(賛助)

Violoncello 穴田 貴也 堀越 晨裕 鈴木 和生(賛助)

Contrabass 鈴木 智(賛助)

 

関連情報

堀越隆一公式サイト

堀越隆一公式サイト

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屋号 堀越隆一
住所 〒130-0021 東京都墨田区緑3-19-5-103
電話番号 080-6552-3195
営業時間 10:00~17:00
代表者名 堀越 隆一(ホリコシ リュウイチ)
E-mail info@horikoshiryuichi.com

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10:00〜17:00(不定休)