『アリア』 於・シネマライズ渋谷
『アリア』 於・シネマライズ渋谷
1988年1月5日(火曜日)
プロデューサーのJ.ボイドが十人の監督に依頼して制作したオムニバス映画。実質的には九つのアリアに基づいた短編とそれを繋いでゆく狂言廻しとしての道化師(ジョン・ハート)の部分で構成される。『アリア』を一つのまとまった映画として観ることは難しい。それはバラバラなビデオクリップが強引に繋ぎあわせられて作られた印象を与える。ゴダールとチャールズ・スターリッジが特に感心させられ、ケン・ラッセルとデレク・ジャーマンも印象に残った。リアリゼーションの仕方では多分ケン・ラッセルが一番技巧的に凝ったことをしていると思うが、曲に対するアプローチの仕方ではゴダールに一番感心させられた。映像としての美しさではチャールズ・スターリッジとデレク・ジャーマン、特にチャールズ・スターリッジのモノトーンの画面の美しさは印象に残る。