堀越隆一公式サイト 作曲家、堀越隆一の公式サイト。1976年のデビュー以降、数々の作品を発表する傍ら、編曲、指揮、評論を始め、後進育成の為のアルエム弦楽合奏団の設立、音楽を愛する人に最良の空間を提供するすみだチェリーホールの運営など多岐に渡る活動を展開。最新の活動情報、チケットや楽譜の販売など、随時更新していますので、ぜひお立寄り下さい。

堀越 隆一みちこ 2002 個 展/リサイタル

堀越 隆一みちこ 2002 個 展/リサイタル

 

 2002年6月18日(月)/すみだトリフォニーホール小ホール

 

 

program

 

F.シューベルト:ヴァイオリン・ソナタイ長調 D 574

第1楽章 Allegro moderato/第2楽章 Scherzo/第3楽章 Andantino/第4楽章

Allegro vivace

堀越 隆一:風の森と鏡の村 2002 pf. solo

堀越 隆一:ソング・ブック 1992* va, pf.

堀越 隆一:六月のオーバード 2002 -初演- va. solo

A.ピアソラ:ル・グラン・タンゴ 1982(堀越隆一編曲)vn, pf.

 

violin : 堀越 みちこ

piano : 中川 俊郎(客演)、堀越 隆一( *ソング・ブックのみ)

 

ごあいさつ

本日は「堀越隆一みちこ2002個展/リサイタル 」に足をお運び頂き誠にありがとうございます。2000年の12月に「堀越隆一みちこ1998-2000個展/リサイタル 」として始めたこのコンサートも、今回ようやく回を重ねることができました。ご来場下さった皆様、そして今回の公演を実現するにあたり様々なかたちでご援助ご協力を頂いた皆様に厚くお礼申しあげます。

2002年6月17日

堀越隆一 みちこ

 

プログラムノート

 

F. シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D 574

音楽(芸術)作品は作者の当初の動機を裏切って成立してゆくものだ。あるいはこう言い換え てもよい、人(作家)は一般的に言って自分の成りたいと思う姿と、結果として到達した姿が 異なることが往々にしてあると。そしてもし音楽作品に固有の価値があり、個々の作曲家の資 質、特性というものが存在するとすれば、それは作家自身のもつモチベーションと結果として 成立した作品との差異の中にあるように思われる。シューベルトの器楽作品、晩年の室内楽や 交響曲、遺作のピアノソナタにいたるまでのその作品中に流れる時間をどう理解すれば良いだ ろうか。批評家(ジャーナリスト)としてのR.シューマンが「天国的な長さ」と言ったのは、 シューベルトの音楽の持続の特異性を何か言葉で表現する必要性に迫られたためだと思う。本 当はここから一気に作家論に行きたいのだが、すでに曲目解説の範囲と分量から大幅に逸脱し ている。乱暴に僕自身の結論を言おう。シューベルトの音楽はおそらく作曲者自身の願望と裏 腹に、資質としてドラマを避けているように思える、多分この作家にとって作品を書く行為と は常に一つのインティメートな物語を語ることだった。これはかたちが交響曲であれ晩年の長 大な室内楽であれ変わらなかった。今夜演奏されるこのイ長調のヴァイオリン・ソナタも全体 は四つの楽章で構成され、どの楽章も古典的な様式で明確に分けられている。でも作曲家は常 にその底流で同じ一つの物語を語っているように思える。作曲は1817年。1851年にA.ディア ベリ書店から「二重奏曲」として出版された。

 

風の森と鏡の村(pf.solo)

「風の森」と「鏡の村」の二つのピアノ曲は、どちらもある場所の地名がタイトルになってい る。二つの曲はそれぞれ異なったアプローチ、コンセプトで書かれているがどちらも同じ場所 (世界)に存在している。

初演:2002年4月[21世紀ピアノ音楽の領域]( pf:鈴木智恵)

 

ソング・ブック(va, pf)

古いリトルネロの様式で書かれている。ピアノのリトルネロに導かれてビオラが様々な「歌」 を歌っていく。この曲は初演の翌年にタタールスタンの首都カザンで開催された国際室内楽フ ェスティバルで演奏された。以後ロシア、東欧地域からアメリカ合衆国まで世界各地で演奏さ れている。タイトルには「古い歌が書き残された本」という意味をこめた。

初演:1992年12月[現音秋の音楽展’92](va:堀越みちこ、pf:土屋律子)

 

 

 

六月のオーバード(va.solo) -初演-

今回の『個展/リサイタル』のために作曲。曲名の「オーバード」(aubade,alborada)という のは、恋人との朝の別れを歌った中世の吟遊詩人の歌で、楽語辞典では「朝の音楽」と訳され ている。17、18世紀以降に発展して器楽曲のジャンルになった。ビゼー、R.コルサコフ、ラヴ ェル等多くの作曲家がこのタイトルを用いて作品を書いている。

 

A. ピアソラ:ル・グラン・タンゴ(vn, pf)

オリジナルはチェロとピアノのための二重奏。ロシアのチェリストで現在は指揮者としても有 名なロストロポーヴィチの依頼でピアソラが1982年に作曲、初演は1990年と書かれている。 実際はビオラでも演奏は可能なのだが、敢えてこのコンサートのためにヴァイオリンとピアノ の二重奏に編曲した。冒頭も含め編曲の過程で原曲の何ケ所かに手を加えている。

 

堀越 隆一

 

あとがき(我が家の子供達へ)

パパは夜中に作曲するしママはコンサートがせまると下の子が寝てから練習を始める。し たがって、昼間、君たちの目に映る両親の姿はいつもボーっとしている(ような気がする)。全く遊んでやれない時もあるかと思えば突然映画に行こうと言い出したりする。こんな親達にもかかわらず、二人ともマイペースで、すくすくと成長してくれていることに心から感謝しているよ。

いや本当に!

 

関連情報

堀越隆一公式サイト

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屋号 堀越隆一
住所 〒130-0021 東京都墨田区緑3-19-5-103
電話番号 03-5669-0393
営業時間 10:00~17:00
代表者名 堀越 隆一(ホリコシ リュウイチ)
E-mail info@horikoshiryuichi.com

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